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営業担当者の営業力倍増計画
その(3)


株式会社ウイズダムマネジメント 中小企業診断士 長谷川好宏

 経営者及び、営業担当マネージャーは、営業部門の生産性向上を図ることに腐心されています。
営業マンのスキル倍増が実現できれば、さらに、集合体としての営業組織の生産性向上を図ります。
経営者が営業組織の生産性を高めるためには、どのような戦略をとるべきか、 営業マネージャーが部下である営業マンをどのように活性化すべきかのマネジメントを取り上げます。

 1. 営業組織の生産性向上
経営者はより高い売上確保のために、強い営業組織を作り上げたいと考えています。
営業組織は、営業マンが組織化されないで活動した成果の総和より比べてより大きな成果を産み、 組織化しているメリットがなければならないのです。
このために、次の2つの視点で考察します。



経営者は第一に、営業戦略として顧客の満足するメリットをどれだけ提供できるかを考えるべきです。
それは競争優位の差別化戦略につながらなければなりません。
この営業組織活動を「顧客のための活動」と定義します。営業組織の存在が顧客から歓迎され、 その活動は営業マン単独より、組織力を発揮してこそできるような活動です。
 第二に、営業組織の生産性向上のために、営業業務活動の効率化を図ります。
この活動を「自社のための活動」と定義いたします。
この中には、営業マンの活動も、仕組みによる業務効率化も含みます。
経営者にとっては、営業マンも、組織も使わずに営業業務が果たせるような仕組みが作れれば一番ありがたいわけです。
 経営者は、営業組織の活動を「顧客のための活動」と「自社のための活動」に分けて考えます。
さらに、営業組織は経営機能から見ると、販売活動の遂行です。
その営業力を倍増するのが本稿の趣旨でもあり、商品(製品・サービス)が売れなければ組織の意味はありません。
そこで、次の3つの目的に分けて考えてみます。



  1. 「売れる営業マンをつくる」とは、営業スキルを高めて自らの生産性を高めて行く活動です。

  2. 「売れる営業組織をつくる」とは、自社のための活動としては、営業チームとして、一人当たりの業務効率を高める組織的な工夫です。
    「顧客のための活動」としては、一人ではできないが、顧客に満足をもたらし、感動を与えるような組織的なサービス活動です。
    例えば、T社では、営業アシスタントを集めて、業務グループ組織を編成しました。
    営業マンがいなくても、見積の即答や在庫の照会に対して即答、発注・出荷指示ができるようになったのです。
    既存顧客の売上が約10%増加しました。

  3. 「売れる仕組みをつくる」とは、営業マンや営業組織のサービス活動による人的な行為ではなく、非属人的活動でありながら「顧客から注文がくる」、 「自然に製品・サービスが顧客から選択される」仕組みをつくります。 自社のための活動としては、新規顧客開拓が自然にできるような仕組み(ファインディング機能)を考えたり、 「顧客のための活動」としては、顧客の利便性に着目して注文したくなるような仕掛けをつくります。
    これらは、営業組織が細かい改善工夫を業務効率化として積み重ねるとともに、「顧客のための活動」として 戦略的にライバルとは異なる活動を展開していきます。
    しかも、ライバルにベンチマーキングされない活動を行っていくことにより、競争優位な状態を営業組織活動として行うのです。

 2. 営業マネージャーの事前レビュー
 生産性の高い営業組織をつくるのは、経営者と営業マネジャーの責任ですが、営業組織の維持と運用は営業マネージャーの権限と責任です。
営業マネージャーは組織構成員の営業マンを動機づけ、指揮し、評価し、組織の目標に向かわせなければなりません。
また、営業チームを構成する営業マンのバラツキをなくし、営業力の倍増を図っています。
さらに、最強の営業チームとして能力を発揮し、加速度的に成果が増えて行くような組織的工夫や訓練を行って行くことが必要です。
最近、オリンピックで、選手を育成する「コーチング」が注目されています。
女子マラソンの金メダル受賞は監督によるコーチングの上手さが話題になりました。
営業マネジャーがコーチングによって部下を育成していくには、従来の「上司が部下をリードする」という型にはまったやり方ではなく、 部下が成長する秘訣は、部下の中にこそあるのであって、上司はそれを気づかせ、引き出してやることが必要なのです。
上司が教え込む、指導するのでなく、「部下にとって必要な答えは部下自身の中にある」という考え方です。
ですから、コーチングでは、「部下をリードする」のでなく、「部下をフォローする」のです。
状況に応じて自分で考え、自分で働ける自律型の営業マンに育成します。
営業マネージャーは、コーチングというコミュニケーション手法もベンチマーキングすべきでしょう。

 さて、営業マネージャーは、部下育成のためのコーチングとして、「事前レビュー」というコミュニケーションの場をつくります。
営業オフィスを訪ねますと、営業マネジャーが営業マンを叱咤激励している光景に出くわします。
上司は営業マンの報告を受け、
「なぜ、そこで、こちらの要求をきちんと言わなかったのか。何年営業をやっているのだ」
と責めても、後の祭りです。
事後に、とやかく言うのは育成というより、叱りつける型になってしまうのです。
部下は反省して営業活動を改めようというより、叱られることから逃れようという意識で頭はいっぱいです。

営業マネージャーは、営業マンが顧客を訪問に行く前に、15分以内で、
「○○顧客には、どんなニーズがあり、誰に、どのようなシナリオでアプローチするのか、」
と質問し、部下にプランと行動や事前準備の内容について聞くべきです。
そこで、内容が良ければ引き出し、まずい点はフォローする姿勢でコーチングします。
戻ってきた部下が成果を持ち帰ってくれば、手柄として、成功したポイントを反芻し、スキルの定着を図るコーチングをするのです。
 営業マネージャーは、部下の性格を知り、部下自身に合った型で営業ステップ毎に営業機能がきちんと実行されるようにフォローします。
優れたやり方は定型化し、共有化していきます。
コーチングのできる営業マネージャーの元には、優秀な部下が育ち、営業組織の生産性も倍増していくのです。

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